泥沼のエンタメ日記

主に映画の感想をゆるく備忘録的に書いていくブログです。

松方コレクション展

国立西洋美術館で現在開催中の、
『松方コレクション展』を観に行ってきました。
美術館のコレクションをテーマにした展示会、
一人の作家にスポットを当てた展覧会はよくみるが、今回は一人のコレクターにスポットが。
色々展覧会には行くけど、これは結構珍しいのでは。
当時、川崎造船所(現在の川崎重工業)の社長だった松方幸次郎氏。
日本の人々に一流の西洋美術を見せたいと収集に励んだ、氏の熱量がこれでもかと伝わる。
しかも、このコレクションは絵画に留まらず広範囲にもおよぶ。
氏が夢見た美術館がもし完成していたらすごい、事になっていただろう。
実際モネなどとは直接交流もあったみたいだし。さらに貴重な美術品があったかもしれない。
しかし、時代の流れなのか、この松方コレクションは悲劇の運命を辿る事に。
会社は経営破綻、ロンドンの倉庫は焼失、敵国人財産として、フランス政府に接収されたりとコレクションは散逸してしまう。
ここまでくると、展示されている絵画と同じくらい松方幸次郎の人生に興味が出てくる。
今回集まった作品は当時の松方コレクションからしたら本の一部だと思う。
しかし、こうやってまた自分たちの前に展示されることで、松方の夢だった美術館で多くの人に一流の油絵を見せるというのがかなった気がする。




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